今日聴いたもの

ゴー!ゴー!テレサ / テレサ・テン
冒頭、いきなりキュートなエレキ・ビート歌謡"ラヴ・ポーションNo.9〜恋の特効薬"にノックアウト。"つぐない"や"愛人"のイメージとは全然違うポップに弾けたヴォーカル・スタイルの60年代後半の音源集。スカっぽいビッグバンド・スウィング・アレンジがユニークな"月影のナポリ"、気持ち良いグルーヴ感の"愛して愛して愛しちゃったのよ"、キューティなマージービート風"グァンタナメラ"、ラテンビートに乗ってエレキがテケテケする"真っ赤な太陽"、ルイルイ・スタイルが斬新な"黄色いサクランボ"など。
悶えの部屋 / 谷ナオミ
ロマンポルノ名女優のお色気レコードの再発。79年。三味線や尺八がメロディーを奏でる純和風なムード音楽に乗って、リスナーをオトコに見立てた艶っぽいトークを繰り広げる前半。いきなりの激しいあえぎ声にビックリするけど、あとは基本的にウィットに富んだユーモラスなもので、"昭和枯れすすき"のメロディーに乗って「ダメェ、感じちゃうじゃないのお」といってる1曲目とか、エロな年なラブホテルの名前に突っ込む"明治一代女"など、オリジナルの楽曲とまったくかけ離れた世界で面白い。後半は仁義や啖呵を切ったり長い身の上話を語ったりと映画/演劇的な雰囲気に。
桑原幸子とあなた /桑原幸子
71年。プレイガール女優のお色気トーク・アルバム。こちらはむせび泣くサックスをフィーチャーした哀愁ムード音楽を中心に、ジャジーなラウンジ・ミュージックやハワイアンなど都会的な雰囲気。全編を通じて小粋なエロティック・トークが楽しい1枚。呟きつつ歌うシャンソン・ムード歌謡"ウィーク・ポイント"(リズム・チェンジがカッコイイ)、クールなフルート・ジャズに乗ってコケティッシュに挑発する"赤坂の夜は更けて"、チェンバロ入りのバロック・ムードコーラスをバックに祈る"イブの悲しみ"あたりが特に印象的。