今日聴いたもの

Morph the Cat / Donald Fagen
新作。復活後のスティーリー・ダンには、正直あんまりハマらなかったんで、このアルバムも実は興味がなかったんだけど、店頭でかかってるのを聞いたら思いきり心を掴まれてしまった。相変わらずスティーリーっぽいとしか言いようのないクロスオーヴァーAORサウンドに、これまでになく目鼻立ちのハッキリしたキャッチーなメロディーが乗ってて、緻密なコード進行やコーラス・ワークがいつも以上に魅力的に響く感じ。エキゾティックなメロディーが印象的なミディアム・ファンキーロックのタイトル曲をはじめ、ハーモニカが泣かせる女声コーラス入りのラテンロック"What I Do"、「ガウチョ」や「エイジャ」の曲をよりポップにしたような"H Gang"に"The Great Pagoda of Funn"(これがベストトラック。堀込兄っぽい)、出だしのメロディにヤラれるDF流メロウ・グルーヴ"The Night Belongs To Mona"、抑制の効いた雰囲気がクールなファンキー・ロック"Mary Shut the Garden Door"など、曲数こそ全8曲(リプライズ除く)と少ないものの、まさに珠玉の名曲集。
Leggo Dub / Ossie Hibbert
78年。グレゴリー・アイザックスの「ミスター・アイザックス」を素材にしたダブ・アルバム。元ネタ・アルバムでは断トツに好きな哀愁ソウルフル・レゲエ"Get Ready"をイジった"Ready Dub"にまずはグッとくる。オリジナルのネチっこいギター・フレーズを生かしたファンキーなダビー・サウンドが最高で、一瞬だけサビ部のヴォーカルが挿入されるも粋な感じ。同様に哀愁系の"Bubble Up Style"も、こちらはメロウなピアノ・フレーズが泣かせる好トラック。アルバム全体は、ゆったりテンポの明朗ルーツ・レゲエをダブった曲が中心で、のほほんとしたムードの音空間に響き渡る動物の鳴き声、車の排気音、鳩時計などの多彩なSEが楽しい。赤ん坊の泣き声で始まり紆余曲折を経て最後はAMラジオ音源っぽいオーケストラ演奏で締める愉快な"Dub Down Babylon"とか。