今日聴いたもの

高橋悠治ソング・ブック「ぼくは12歳」/ 中山千夏
78年。ほとんどシンセとパーカッションのみの簡素な演奏に乗って童謡や現代歌曲風の歌を聞かせるアルバム。「六つのこころみ」同様の純邦楽的な印象も受けたんだけど、朝鮮の民族音楽を素材にした曲が多いみたい。ちょっとミニマルなテクノ童謡という趣の"みちでばったり"、"へや/ちっこい家"、"リンゴ"やダイナミックなメロディが気持ち良い"太ようのつかい"、"ぼくはうちゅう人だ"あたりが特にお気に入り。それにしてもこの人の芯の強い歌声はやっぱりイイなあ。ブリッジの「男たちよ!」シリーズ再発。
寛 / 三上寛
75年。冒頭、哀切なヴァイオリンやトランペット、マンドリンなんかをフィーチャーした三上寛流叙情派フォークっていう感じの曲が続いて、このアルバムはそういう趣向かあ、と思って聞いてると、ディープな語りフォーク"せりふ"、ライブ定番曲の"オートバイの失恋"(オリジナルはこんなクールな曲だったとは知らなかった)や"三上工務店が歩く"(クイーカとトランペットが最高)と次第に唯一無二な世界が展開。ジャカジャカしたギター・ストロークにがなり気味なヴォーカルの"あっぱれ あっぱれ~池田福男さんに捧げる~"、"花子と太郎の恋物語"あたりの流れはまさに独壇場。女声スキャット入りのハードボイルド・フォーク"関係"も素晴らしい。