今日聴いたもの

Get Away From Me / Nellie McKay
04年。癖がなくてナチュラルでキュートなヴォーカルにまずやられる。しかもノスタルジックなミュージカル・ソングをベースにジャズやフレンチ・ポップさらにはヒップホップまでも吸収してしまう幅広い音楽性、その上やたらとキャッチーなフックが散りばめられた魅力的なメロディ・センス。さすがにこれが19才の女の子の自作自演盤というのはちょっとした衝撃。今後確実にポップス・スタンダードの定番になるアルバムだと思うけど、ウンザリするくらいこれらの曲が街中やテレビでかかりまくることになるとしたらちょっと嫌だな。
"David"(ドリーミーなノスタルジック・ポップ。いきなりKOされるアルバム1曲目)
"Ding Dong"
"Baby Watch Your Back"(アシッド・ジャズっぽい疾走チューン)
"Change The World"(クルト・ワイルとファンクとフレンチポップが混じったような曲)
"Inner Peace"(パワフルなオーケストラル・ポップ。メロディが素晴らしい)
"Clonie"(ほのぼのした陽だまりポップス)
"Respectable"(派手な展開の疾走マイナー・ポップ)
Sun Song / Sun Ra
「Jazz By Sun Ra」のタイトルで57年に発表されたアルバムのDelmark再発盤。サン・ラのピアノがやはり個性的だけど基本的にはバップ期のビッグ・バンド・ジャズのフォーマットにのっとった音で、歯切れの良いホーンが炸裂するアッパー・チューンからロマンティックなセレナーデ調まで、珍奇性やインパクトを求めなければ安心して聴ける良質なジャズ・アルバムだと思う。
"Brainville"(テーマが魅力的なビッグ・バンド・ジャズ)
"Lullaby For Realville"(ハンドクラップみたいなパーカッションが格好良い。ヒップ)
"Sun Song"(エキセントリックなラテン・エキゾティック・ジャズ)
Amazonas / Cal Tjader
75年。Airtoプロデュース。マリンバの音色が気持ち良いフュージョン・ファンク"Amazonas"、クールに疾走するルパン三世系"Tamanco No Samba"、エルメート・パスコアルのフルートをフィーチャーした、ちょっとフリーキーなスピリチュアル・ジャズ"Cahuenga"(ボーナスのロング・ヴァージョンが凄い)とイイ曲が結構多い。ただニューエイジに繋がっていきそうなタルいフュージョンもいくつか。OJC再発盤。
ボーイズ・ナイト・アウト / 吉川晃司・後藤次利
86年。映画「テイク・イット・イージー」サントラ。エレクトロニクスを導入した80年代のフュージョン風の音作りで、ニッティング・ファクトリー系アヴァン・ジャズのような"Scond Fake"みたいな硬派な曲も聴ける、実質的には後藤次利のアルバム。全体を通してハード・エッジなドラム・サウンドが気持ち良い。吉川晃司の曲も2曲収録されてて、どちらも格好良いけど、特に"Modern Times 2"は最高。