今日聴いたもの

星が降る前に / 八田雅弘
86年。大村憲司青山純、中西康晴といった参加メンツを見てある種の音を期待したんだけど、聴いてみると80年代後半のトレンドの一つだったスプリングスティーン系ニューミュージック。産業ロック的な音響も強く時代を感じさせる。歌メロに長渕剛、歌い方に浜田省吾といった人たちの影を感じる曲が多いけど、そこに時々AOR的な語法が織り込まれるのが個性になってるかも。シンセ音が賑やかなロックナンバー"ツイスト・ダイナマイト"や歌謡曲っぽいメロディの"夜を抱きしめて"が印象に残った。
By Myself / 麻倉未稀
86年。AORやロックを取りいれたシティ系ニューミュージック。清水信之作のミディアムAOR"Living Together"、アンニュイ・エレポップ風"49%の関係"(都志見隆)、ライトなファンキー・タッチが心地良い"雨に踊れば"(佐藤準)などイイ感じの曲がいくつか。ただ、かつて筒美京平がらみの曲を聞いた時にも感じたけど、どうも余り個性を感じない薄い歌い手さんという印象が拭えない。それにしても、ちょっと調べてみるとこの人が80年代に発表したアルバムの数は尋常じゃないなあ。
星の涙 / 富沢聖子
87年。"彼と彼女のソネット"をカヴァーしてることからも分かるように、ちょっとお洒落なセンスを持ったニューミュージック・シンガーで、ウィスパー気味のヴォーカル・スタイルはなかなか魅力的。自作曲と作家の曲が半分づつの構成(作家陣に横浜銀蝿のJohnnyの名前が)のアルバムなんだけど、コンサバなフィメール・ニューミュージックの"テ・フル・モア"(岡本朗)とか結構イイ。
T.I.M.E. / Leaders Of The New School
93年2nd。太く重たいリズムにジャズやソウルのキャッチーなサンプリング・フレーズ絡むバック・トラックに、良く通る高い声の持ち主とダンスホールの影響大なダミ声MCが乗っかるヒップホップで、全体的にセンスの良い曲が並ぶ好盤。といってもジングル的なインストナンバーにどうしても惹かれてしまうんだけど。
"Daily Reminder"(ドタバタしたリズムに調子外れなトランペット)
"What's Next"(普通にカッコイイ名曲)
"Time Will Tell"(テルミンぽい音色をサンプリングしたリラクシン・トラック)
"The End Is Near"(面白い展開のジャズ・ヒップホップ)
"Zearocks"(コスりまくりのインタールード曲)
Ain't That A Bitch / Johnny Guitar Watson
76年のアルバムのCollectable再発盤。メロウなファンク/ソウルに時折鋭角的なブルージー・ギターが絡む、その絶妙なさじ加減が気持ち良い。なんとなく聴かずに来た人だけど意外に面白い音楽性の持ち主。ほとんどイイ曲ばかりだし、この人の他のアルバムも聴いてみたい。
"I Need It"(サルサっぽい歯切れの良いホーン入りのジャズ・ファンク
"I Want To Ta-Ta You Baby"(アーバンでメロウなブルース・ナンバー)
"Since I Met You Baby"(粘っこいブルース・ギターをフィーチャーしたイントロからAOR的にメロウに展開)
"Won't You Forgive Me Baby"(グルーヴィーなAORソウル)