今日聴いたもの

宇宙防衛軍 / 遠藤賢司
80年。いろいろやってて賑やかだけどグッとくる曲はないかなというのが昔聞いた印象だったけど、いろいろな音楽を通過したあとで改めて聞くと味わい深い1枚。インダストリアルなシンセとノイジーなエレキ・ギターの喧騒をバックに、ジャカジャカと弾き語る"夜汽車のブルース"がとりあえず最高。この曲の良さに気付かなかった昔の自分が信じられない。自筆ライナーを読んでたら、"白銀の翼"が"対自核"の翻案だと書いてあって笑った。「音楽市場」シリーズ再発CDでボーナストラックとしてライブ2曲を収録。やっぱりこの人のヴォーカルはスタジオ盤よりライブの方が響いてくるなあ。
Open City / The Muffins
フレッド・フリスの「Gravity」に参加していた2バンドの未聴アルバムを中古屋で見かけたんで。マフィンズのこのアルバムは77〜80年の未発表音源集。目まぐるしく曲調が変わる変拍子ジャズ・ロックを聴かせる79・80年の曲がカッコイイ。テクニカルだけどあまりガチガチの理論派っぽく感じないのは、フェダインとか渋さ知らズみたいな日本ジャズっぽい管楽器の太い音色のせいかな。77年の音源はカンタベリーっぽいジャズ・ロック。
"Queenside"(この1曲だけでお腹がいっぱいになってしまいそうな濃縮ナンバー)
"Antidote To Dryrock"("21世紀の精神異常者"のインプロ部分を延々とやっているような疾走フリー・ロック)
"Under Dalli's Wing"
Klossa Knapitatet / Samla Mammas Manna
74年。2曲目の長尺曲"Small Dialectics"なんかはテクニカルなジャズ・ロックなんだけど、ヨーデル・ヴォーカルが飛び出す4曲目"Way Down A Rabbithole"あたりから次第に訳の分からないセンスが全開に。クラシックとロックンロールがユニークな形で同居した"The Mousemilkingmahine"みたいな曲は他に聴いたことがない。インタールード的な小品が洒落てる。
Stevie / Yesterdays New Quintet
04年。シンプルでラフなブレイク・ビーツ上で、ステーヴィー・ワンダーのメロディーがフェンダー・ローズで奏でられるインスト・アルバム。エキゾティックな音も所々で顔を覗かせて、ちょっとマーティン・デニーっぽくも感じる、イージーリスニング・ヒップ・ホップ。灼熱の真昼の屋外で聞いても、真夜中のベッドルームで聞いてもハマってしまう機能的な1枚。
This Is A Long Drive For Someone With Nothing To Think About / Modest Mouse
96年1st。以後のアルバムに比べると曲調がかなりバラエティに富んでるんだけど、どの曲にも(激しい曲もファンキーな曲も)独特の静謐な空気が一貫して漂っていて、バンド・カラーにブレがないのが魅力。1曲目の"Dramamine"から一気に引き込まれてしまう。