今日聴いたもの

She's Here At Last / Danny Long
'71年米国産のヒップなポピュラーヴォーカル作品。ちょっと線が太くて朴訥とした歌声とは裏腹にジャズ〜クロスオーヴァーな感覚が横溢したプレAORな作風で、全編を通じて、まろやかなエレピや跳ねまくり弾みまくりのベースが気持ちイイ。パーカッシヴなアップ曲"Our Happiness In Love"にニール・セダカの疾走クロスオーヴァーなカヴァー"What Have They Done To The Moon"といった、まさにレアグルーヴという感じの曲をはじめ、ひとりフィフス・ディメンションな"Come To The Country"にケニー・ランキンの"Peaceful"といった遅れてきたソフトロック路線、そして、ラストに置かれたやや異質なアンビエント・ピアノジャズ・インスト"Spartacus"と、多彩なイイ曲がそろった1枚。
Sleepy Hollow / Sleepy Hollow
フィラデルフィアの3人組バンドの'72年盤。とりあえず、いきなりジョン・レノンそのものな鼻声ヴォーカルが炸裂する冒頭のダウナーロック"Sincerely Yours"のインパクトが強烈で、思わず初めてジュリアン・レノンの"ヴァロッテ"をラジオで聴いた時の記憶がよみがえったくらい。以後、出だしのインパクトを超える曲こそないものの、ハリソンを思わせる切ないロック・バラードの"Lay It On The Line"や軽快なピアノロック"Love Minus You"など、ヴォーカルの声質や楽曲スタイルのみならず、音の響きも含めて、「ビートリッシュ」もここまで徹底されると圧巻。