今日聴いたもの

One-Armed Bandit / Jaga Jazzist
新作。クルクルと表情を変えながらめまぐるしく展開するダイナミックなチェンバー・ジャズ・ロック集。これはカッコイイ。ヨーロピアンとオリエンタルが混ざり合ったような不思議な無国籍感が漂うカンタベリーテイストの変拍子ジャズロック"One-Armed Bandit"をはじめ、ミニマルなシンセ・フレーズと手数の多いドラムの絡みが無性に格好良い"Book Of Glass"、ポリリズミックなズンドコ変拍子上でドリル音のようなノイズギターが暴れる"Music! Dance! Drama!"など、全体に70年代プログレに東欧ブラスバンドやラウンジ、テクノの要素などを加えて今風にアップデートしたような風情もあって、複雑怪奇な楽曲ばかりなんだけど不思議とお洒落な耳ざわり。
Soldier of Love / Sade
ひたすら簡素で枯れた音作りの中にとびきり甘美なメロウさを湛えていた傑作「Lovers Rock」の音に、今回はかなりの哀愁要素が加わった印象の新作。一聴した感じでは、勇壮なマーチングリズム上でディストーションのかかったヘヴィなギターが鳴る、緊張感に満ちたタイトル曲インパクトがやはり強いものの、繰り返し聞いてるうちにむしろ他のダウナーメロウな楽曲群がジワりと染みてくる。特に静謐なピアノバラード"Morning Bird"からファットなリズムトラックのフォーキー・ソウル"Babyfather"、そして物悲しいジャジーフォーク"Long Hard Road"と続く中盤のSSWっぽい流れ、シャーデーらしいアンニュイな歌声と美メロが堪能できるダウンテンポ系の"Skin"などホントに素晴らしい。