今日聴いたもの

Thai Pop Spectacular - 1960s-1980s / V.A.
07年に出たSublime Frequenciesのタイのポップス集。いろんな年代の音源をごちゃ混ぜにした編集は、「タイ・ビート・ア・ゴーゴー」のダイジェストのような趣もあって、男女ヴォーカルが入り乱れてビート歌謡からファンク、ディスコまで脈絡無くバリエーションに富んだ極彩色の楽曲の数々に頭がクラクラ。怪しい少女ヴォーカルをフィーチャーした土着エキゾティックなエレクトロ・ディスコ歌謡"Kwuan Tai Duew Luk Puen / Chailai Chaiyata, Sawanee Patana"に、ネジの緩んだようなチャカポコ・ファンク"Nan Nan Pob Gan Tee (Long Time No See) / Generation"、ムーグ入りファンク歌謡が4ビート展開を見せる"Na Doo / Man City Lion"など、牧歌的なユルさとヒップな格好良さが同居して、どことなく狂気を感じる「引っかかる」曲のオンパレードな、充実のオモシロ盤。
Siamese Soul - Thai Pop Spectacular 1960s-1980s, Vol. 2 / V.A.
09年に出た第2集。第1集に比べるとあまり年代のバラツキを感じさせない統一感のある編集で、ファンクとラテンを中心にしたちょっとレアグルーヴィーな感触の1枚。とはいえ、アクが薄まった訳では決して無くて、ブガルー風の"E-Saew Tam Punha Huajai / Kwan Jai & Kwan Jit Sriprajan"やワンコードのミニマル・ファンクな"Kati Sorn Jai / Lam Yong"、ダウナーなスピリチュアル民謡"Lam Sarawan / Group: Ubon Pattana with Surin Paksiri"など、特に女性歌手がコブシを効かせて歌う楽曲群の妙にドローン感のある呪術的なメロディーが強烈。対照的に男性歌手の曲はモッドなガレージR&B歌謡"Laek Laow Deum Nom / Sorn Petch Pinyo"にオリエンタルなブガルージャズ歌謡"Nah Anad / Man City Lion"など、どれもイイ湯加減のとぼけた歌声がグルーヴィーな演奏に乗るユル格好良いスタイル。