今日聴いたもの

Afrique / Count Basie & His Orchestra
71年。オリヴァー・ネルソン編曲指揮のFlying Dutchman盤。魅力的なテーマフレーズを持つ"Step Right Up"をはじめ、アルバムの大半を占めるオリヴァー・ネルソン作品は比較的オーソドックスなビッグバンドジャズで、強迫的にパワフルな集団ホーン演奏がソロ演奏に移行する瞬間のフッと肩の力が抜けるような感覚が心地良い感じ。でもこのアルバムをより魅力的にしているのはコンパクトにまとめられたイージーリスニング調のカヴァー曲群で、フィフス・ディメンジョンばりにピースフルに高揚するガボール・サボ"Gypsy Queen"、ムード・ラテンな軽音楽アレンジに乗ってフリーキーなサックス・ブローがのたうつアルバート・アイラー"Love Flower"、中華スピリチュアルなショウビズ・スウィングのファラオ・サンダース"Japan"と、どれもひねりの利いた素敵な演奏。
Fanfare for the Warriors / Art Ensemble Of Chicago
73年。阿鼻叫喚な集団即興やカサコソ系でもなく、かといってホラーやサスペンス映画のサントラ風にも堕さない、忍耐を強いられず聞き流しもさせない程よいアヴァン感覚がキャッチーなのびのびフリージャズ。これはカッコイイ。エクスペリメンタルなオープニングからカオスなスウィング演奏に突入する"Barnyard Scuffel Shuffel"にスピリチュアルなパワー系フリージャズのタイトル曲、そしてオリエンタルな雰囲気の祝祭系即興"What's to Say"、生音インダストリアル音響作"Tnoona"など多彩な構成も素晴らしく、こんな風に自分の耳にしっくりくるフリージャズを探そうとすると結構大変なんで個人的には貴重な1枚。ラストのムード歌謡風のユルユル集団ヴォーカル曲"Key"も最高。