今日聴いたもの

君に届くかな、私。 / 南波志帆
新作。80年代シティポップと90年代ガールポップが交錯するキラキラしたサウンドに少女な歌声が乗るスタイルは健在ながら、ハウスなアレンジの曲が増えたせいか、今作はよりダンサブルな印象。前作同様、全体的にはある意味"中庸なイイ曲"揃いなアルバムなんだけど、キリンジそのものの詞とメロディーでありながらとても甘酸っぱい青春ポップスになっている堀込高樹作品"プールの青は嘘の青"から、コトリンゴのつかみどころのないソングライティングが冴えるジャジーな"クラスメイト"と続く流れは、ガーリーな学園AORとでもいうべき独特な世界を展開していて最高。
Tokyo7 / ムーンライダーズ
新作。「MOON OVER the ROSEBUD」で久しぶりにムーンライダーズの音楽にグッと来たのが凄く嬉しかったんだけど、今回はちょっと苦手かも。ニューウェイヴィーなパワーポップ風ギターロックとトラッド調ヴァイオリンが同居するなんとも言えない居心地の悪さとか、ところどころ見え隠れする中期ビートリッシュとか、シンプルなキャッチーさを指向しているようでどこか突き抜けないところとか...。「最後の晩餐」以降、90年代に散々味わったハマリ切れないもどかしさをまたも味わいつつ、"パラダイスあたりの信号で"からのラスト3曲のメランコリックでヘヴィな流れは絶妙なさじ加減がイイ感じで、特にメンバーによるヴォーカルリレーが泣けるラストの"6つの来し方行く末"は素晴らしい。