今日聴いたもの

Widow City / The Fiery Furnaces
07年。NYの兄妹ユニット。70年代ハードロック/プログレとサイケ・ポップが混ざったようなアヴァンロック、と言い切れそうで言い切れない、次々曲調が目まぐるしく変わる先の読めない濃縮アレンジ。それでいて歌はあくまでウィングス系の甘酸っぱい70年代ポップス風という謎な音楽性。シアトリカルな70年代モダンポップをとことん極端にしたらこうなるかもしれない。メロウ・ファンキーな流麗ソウルサイケ"My Egyptian Grammar"やメロドラマティックなユーロヴィジョン系ポップ"Restorative Beer"など、ときどき心を入れ替えたようにストレートに聞かせるいくつかの曲を除いて、なかなか各曲がどういう作りなのか把握しきれないんだけど、どの曲にも心惹かれる瞬間が確実にあって、それで何度も聞いてしまう感じ。
La Revolucion Sexual / La Casa Azul
07年。スペインの男女混合5人組。1曲目のチップチューン・ミーツ・青春ギターポップな"Nueva Yma Sumac"は割と余裕を持って聞いてたんだけど、続くキラメキ・ディスコポップ"Revolucion Sexual"で完全に心を持っていかれて、あとは上昇気流系のバブルガム・ハーモニーポップ"Momento Mas Feliz"、キュートなスラップスティック・エレポップ"Mis Nostalgicas Manias"、明るく切ないディスコ歌謡ティーク・エレポップ"Gran Mentira"、高揚感に満ちたソフロ・エレポップ"Cosa O Dos"と、胸のすくような明朗ポップスの連続でかなりツボにきた。このサービス満点なツギハギ・センスにはすごく筒美京平を感じる。日本後学校の教材テープみたいな会話がところどころでサンプリングされてて、バカバカしさと甘酸っぱさが一体になった青春パワーポップ"Triple Salto Mortal"、グルーヴィーでバカバカしい60年代風ブレイクビーツ・インスト"Mundo Mejor"と続くラストの流れとか面白い。