今日聴いたもの

Some Feeling / 安田南
77年。70年代後半の東海岸っぽいメロウな音に乗って個性的なハイトーン・ヴォイスで歌われるユニークな楽曲群。洗練された演奏と無手勝流な歌とのギャップが面白い。全曲のアレンジは松岡直也で作曲は林光とタケカワユキヒデ
"旅は道づれ"(すぐ終ってしまうのが勿体無い和製ジャズ・ファンク名曲)
"壁のうた"(寓話的な歌詞のボサAOR。かなりイイ曲)
"舟のうた"(リトル・フィートっぽいファンキー・ロック。皮肉な歌詞が面白い)
"不満な女"(エレピがゆらめくジャジーなスロー)
火曜日の女〜佐藤允彦 女を奏う
70年。サスペンス・ドラマのサントラ。フレンチ・ポップ新主流派ジャズの出会い。今となっては手垢にまみれてしまった音だけど創成期ならではの創意と熱気を感じる。ブリッジの「音楽の基礎研究シリーズ」の1枚。
"愛と逃亡"(ファンキーなリズム上でフランシス・レイ・タッチのチェンバロやストリングスが流麗に舞う傑作)
"愛と真実"(不穏なフリー・ジャズスキャット
こけざる組曲 / 三保敬とジャズイレブン
71年。ジャパネスクなジャズ・ロック盤。ギターがロックっぽいんでギターがフィーチャーされると途端にプログレ風に。どれも一筋縄ではいかない複雑な展開を見せる面白い楽曲揃いで、サスペンス・ドラマのサントラ風の"聞かざる"、ファンキーなクロスオーヴァー和楽器が絡む"言わざる"や"能面"が最高。これも「音楽の基礎研究シリーズ」
モーニング・シャドウ / 倉橋ルイ子
88年。林哲司大貫妙子、網倉一也など。お洒落シティ・ポップス風の曲が多いんだけど、湿っぽいハスキー・ヴォイスとはちょっとミスマッチかも。ヴォーカル・スタイルと楽曲が良く合ってるマイナー・ボッサAORの"ラスト・オーダー"がベスト・トラック。
WISH IN BLUE / 成田忍
94年。アーバンダンスの人。ノイジーなギターにダンサブルなリズム、80年代UKインディっぽい歌メロと、ジーザス・ジョーンズってこんな音じゃなかったかなという風な曲が多い。相変わらずヴォーカルが弱い感じだけど、大げさなアレンジの"嘆きのオフィーリア"なんかはイイ曲だと思う。